#04 – こちらが立てば、あちらが立たず。

今回のタイトルを見て、「また下ネタかよ。」と思われた方は、自分で発信しておきながらこんなことを言うのもアレだが、前回の記事の影響で完全に毒されているので、神社にお祓いに行くか、滝に打たれるなどして一度浄化した方が良い。と、言っておきながら、下ネタ記事は今後しれっと更新すると思う。このブログを初めて覗いてくださった方は、先に述べたことに関してはお気になさらず。トークテーマに一貫性のないスーパーフリーダムなブログへようこそ。

つい最近、念願の一人暮らしを開始した。以前公開した記事で話した、築年数が京都の寺院に匹敵する実家を離れて「おひとり様シンデレラ城」へ転居したのだ。1Kで家賃は共益費・管理費込みで7.5万円。駅近で築20年の単身用マンションへ引っ越した。比較的古い物件だが、このスペックで本当に7万円台…?と思うほどに、私にとっては豪邸である。家賃は大体手取りの3分の1で、通信費無料・交際費ゼロ・娯楽費毎月5,000円程度なら、少し貯金しつつ何とか生活していけるのではないかと思い、ここに決めた。デブ卒業に向けて、今後食費も気を付けていくつもりである。早速何品か作り置きをして、冷凍のお弁当も作り、持ち運び用のマグボトルも購入した。倹約生活の準備は整ってきたが、思いの外調理器具や収納アイテム、掃除用品などの細々したものの出費がかさんだ。ここからは「足るを知る。」を念頭に置き、倹約生活に励みたいところだ。

今回住み始めたマンションは、実家に住んでいた頃、日頃の運動量を増やす為に仕事帰りに最寄り駅の1つ前で下りて歩いて自宅に帰る途中でよく見かけていたマンションだったので、存在自体はかなり昔から知っていた。「ここに住めたら、駅から近くて便利なのに。ここに住みてぇ~!」とマンションの前を通る度に思っていたのだが、ずっと部屋が埋まっている状態で、いくら賃貸情報を漁ってもこのマンションの情報を入手することが出来なかったが、私が部屋探しを初めて丁度半年経った頃に空き部屋が出た。すぐに内見を申し込み、マンションの中へ入ったところ、不動産屋も把握していなかったのだが、私が希望していた角部屋であることが分かった。少々年季の入ったドアを開けると、綺麗なフローリングの廊下があり、キッチンは一口のIHヒーター、トイレとお風呂と独立洗面台がひしめき合っていて、その辺りは正直微妙に感じたが、きらっと光るフローリングの居間が広々とした8畳で、手狭だけれど両扉のクローゼット付き。数十年間に渡り、クイックルワイパーをかけることすら許されないオンボロ和室5畳半の神と化していた私からすればまさに「シンデレラ城」そのものであった。

内見後、入居を即決した。「これから自分らしく生きられる。」、「自分がやりたいことを好きなだけ好きな時にやれる。」、「親にも誰にも干渉されない。」金銭面や、ひとりで何でもこなしていかなければならないという不安よりも「これから自由に自分の思うままに暮らせる。」という幸福感の方が遥かに大きかった。内見から数日後、この日の為に新しく作成した実印に朱肉のインクをこれでもかというくらい付け、賃貸契約書に押印し、先日ようやく新生活をスタートさせることができた。生まれてから約40年間、フローリングの部屋で暮らしたことのない私が「お尻が冷てぇ~。」と思いながら、フローリングの床に座って今この記事を書いている。とても不思議な気分である。古く傷みまくった畳のカスや砂壁の砂が服に付かない、ダニに噛まれない、暖房を付けなくても部屋が暖かい、お風呂の順番を待たずに済む、濁りがなく澄んだ温かいお湯に好きなだけ浸かれる、思い切って奮発して新しく購入したセミダブルのベッドが広く快適で、今まで眠りが浅かったのは一体何だったんだというくらいに深夜に目覚めることなく深く眠れるようになった。「誰とどこに行くの?」、「部屋で何をしているんだ?」と親に聞かれない、普段偉そうにしている癖に困った時だけヘコヘコしながら「パソコンが壊れた。直してくれ。」と都合よく使おうともされない、顔を合わせる度に「もう少し痩せたらどうだ?」、「いくらか痩せたのか?」とハゲデブ金なしクソ親父に絡まれない。「快適」この二文字以外浮かばない。ストレスゼロ。仮に今後極貧状態に陥ったとしても、絶対に実家には戻らないと覚悟を決めたくらいである。入居してまだ間もないが、このブログ以外に実際に「自分の城」を持てたことには心から喜びを感じているし、お金はそれなりに掛かって残金10万円程度になってしまったが、一人暮らしを始めて本当に良かったと思っている。自分次第でこれからいくらでも人生をより良く出来る。アラフォーからでも遅くなんていない。貯金はこれから少しずつすればいい。希望や期待で胸がいっぱいである。

しかし、入居した次の日に、派遣会社の担当営業からショートメールが届いた。

「お電話させていただきたいのですが、お時間ありますか?」

このメールの一文を見て「契約満了の連絡だろうな。」と直感が働いた。子どもの頃から頭は悪いが、直観力だけは無駄に強いのだ。案の定、契約満了の連絡だった。今の現場で働き始めて12月末で丁度2年半を迎える。早かれ遅かれ半年後には今の現場を去ることにはなるが、せめて3月くらいまで、今の生活が少し落ち着くまではいさせて欲しいと思っていた。後日上長から直接契約満了の話をされたのだが、その時の上長の話によれば、現在業績が悪く、人手不足なのにも関わらず私が所属している部署の正社員募集をも止めてしまっている状態で、非正規雇用をストップせざるを得ない状況となってしまったとのことだった。この話は建前なのかも知れないが、「他の正社員が辞めるのを待つしかない。」と述べた時の上長の表情はとても険しく、どこか寂しさも漂っていた。

近頃「103万円の壁」や「短期労働者の厚生年金に関する企業負担額の増加」など経済に関するニュースを良く目や耳にする頻度が高くなった様に感じるが、この様な今後起こり得る経済面の大きな変化もある程度見据えての判断なのだろうか。「不景気」を肌で強く感じ取った瞬間だった。私もどちらかと言えば「使えない派遣社員」に部類されるので、派遣切りに遭うのは致し方ないと思っている。やっと慣れてきた環境から離れることに惜しい気持ちもあるが、突然の契約満了は過去に数度経験してきたこともあるからか「また別の現場で自分なりに頑張ればいいじゃん。」と気持ちは意外にも前向きである。これは「愚か」なのだろうか。もう少し危機感を覚えないと、最悪の事態(実家へ出戻り)が起こる可能性も否定できないが、前向きに思えるのも「一人暮らしマジック」なのだろうか。

遠い昔、某證券会社が倒産したニュースをテレビで観て、当時細かく難しい話は分からなかったが、子どもながらに「安心・安定に『絶対』は存在しないんだな。」と感じていた。正社員だろうが、契約社員だろうが、派遣社員だろうが、切られる時は容赦なく切られる。これが約25年続いているのも異常だが、悲しいことに現状を鑑みると今後も暫く続くのだろう。私が小学生の頃の話だが、昼間の時間に当時住んでいた家に「奥さん、大変申し訳ないのですが、小銭を分けてくれませんか?あればで良いですから。」とカチっとしたスーツを着て、髪型も整っている身なりが綺麗な見知らぬ男性が突然インターホンを鳴らして訪ねて来たと、母親は未だに昨日のことの様に話すことがある。母親にとって会社をリストラされたと思われる身綺麗な男性が小銭を求めて我が家を訪ねてきたことが、本当にショッキングな出来事だったのだろう。高級な生地が使われ立派に仕立て上げられたスーツを見に纏えても、突然食いっぱぐれることもあるのだ。良くも悪しくも本当に何があるか分からない世の中だと常々思う。

最近ワクワク気分で始めた一人暮らしも今後どうなるのだろうか。「先行き不安」とも言いたくないし、念願のシンデレラ城を廃墟にしたくはないので、何としてでも今の生活を維持するつもりである。この記事をしたためている数日前まで派遣の求人情報をいくつも見ながら正直焦っていたが、結果2箇所の現場の顔合わせにありつけることができ、1箇所からオファーが届いたので、何とか無事に年越しは出来そうである。タイトル通り、現在「あちらが立てば、こちらが立たず」状態だが、昔から母親と妹に「『捨てる神あれば拾う神あり』だよ。」と私に何かある毎に言われてきた。自分の過去を振り返っても、あながち間違っていないとも思う。先日の派遣の顔合わせで、現場の人事の方から「あなたにとって『苦手なこと』や『辛いと感じること』は何ですか?」と聞かれた時に、回答に詰まってしまった。今までの業務について振り返ってみたが、いつも苦しんでいたことと言えば「業務の難易度」ではなく「人間関係」だった。自分とタイプが合わない人間と労働を共に行うことが何よりも苦痛で、実際に業務で苦手なことや辛いことがあったのかも知れないが、それが薄れる程に人間関係がネックだった。それ以外浮かばなかった。「そうですねぇ。クソみたいな内面外見オールブサイク女に、面と向かって中指立てない様に自分の手を抑えていたことですかね。」とは到底言えないので、「苦手なことにぶつかった時には、まずは誰かに相談して、解決出来る様に考えて行動していました。」と、決して嘘ではないが、ありきたりな回答で済ませてしまった。今まで「こんな奴、世の中にいるのかよ?」と思える人間に何人も遭遇してきたので、今後はそういった面倒臭い人種と関わることなく、平穏な職場環境で過ごせることを信じてやまない。どんなに粗悪な環境でも、経験上自分の味方は必ずひとりは存在する。自分の信じていることを貫いて、シンデレラ生活を維持しつつ謳歌するつもりである。

現状について無駄につらつら長々と書き綴ってしまったが、ここまで記事を書き上げられたことと、シンデレラ生活も数週間継続出来ているという意味で、現在の心境としてはとてもハッピーである。仕事も決まりそうだし、派遣契約は3か月更新なので、ひとまず来年3月までは収入が途絶えずに済みそうだ。これから副業も含めて、どんどん動いていきたいと思っている。周囲の人は安易に出来て、私には今までできなかったことが山ほどあるのだ。人より歩む速度はかなり遅いが「お楽しみは最後の方にとっておいてある。」と前向きな考えでいる。定期的にシンデレラ城での生活について話すことがあるかと思うが「こういうアラフォー非正規独身一人暮らし肥満女も世の中にはいるんだ。」と思いながら、暇つぶしにでも読んで欲しい。少しずつ自分らしく自分なりに小さな歩幅でも、しっかり大地を踏みしめながら前へ進んで行くつもりだ。

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